KOTOKO の『UZU-MAKI』

 1st の『羽-hane-』に比べて、“KOTOKO のアルバム”としてのインパクトは薄れてしまったように感じる。『羽-hane-』は高瀬さんも「バンド風に仕立てた」と言っていたように、それまでの I’ve ファンは聞きづらいと感じたと思う。実際自分がそうだった。でもそれは従来路線からの逸脱なのだろうと自分としては納得していたのだが。

 『UZU-MAKI』は I’ve ファンとしては非常に聞きやすくなったアルバムと思う。だがこれは KOTOKO としての方向性が不明確になってしまうこととも言える。
 同じ I’ve がプロデュースするものとしての限界はあるし、今夏 E.S.F で発行した冊子でも触れたが、元々 I’ve は歌い手の個性が売りだったわけではないわけではないので、やはり歌い手別の路線を明確に打ち出すというのは限界があるのだろう。ただ、元々独自で活動していた島みやえい子はある程度の独自路線化に成功していると思うので、他の歌い手ももう少し独自路線化をすることは出来るだろうとは思うのだが、簡単に言ってもそれは難しいんだよな。

 “音楽製作集団 I’ve”のファンとしては、独自路線化されない方が聞きやすくて嬉しいんだけど、そうなると歌い手のソロデビューの意味が無くなってしまう。なかなか難しいモノだ。

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All or nothing.
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