職安の求人の意味は

 失業保険受給のための認定日。経験者なら知っていることだが、四週間に一度出頭して状況を報告しなければならない。職安は近くにあるわけではないので、実績稼ぎのためにこの日にはついでに職業相談をしているのだが。と、この実績というのは基本的に次回認定日まで最低二回の就職活動をしなければ失業保険が給付されないので、それを満たすためのものだ。

 職安は相変わらず盛況である。病院やこういうところは盛況でないに越したことはないのだが、現況はそうではない。報道で失業率改善なんて言ってるが、あれは実態を見ていないうわべだけの数値だ。役人は一度各地の職安を自分の目で確認しにいくべきだ。

 話は戻るが、今の求人検索は PC を操作して条件にマッチしたものだけ表示できるようになっているので、昔に比べれば楽である。と言っても十年ほど前にどんなものだったかは覚えていないので、実体験を元に楽であるということではないのだが。

 この求人検索、以前は検索しただけでも実績としてカウントされていたようであるが、今はそれが許されていないところが殆どらしい。そこから求人票をプリントアウトして窓口で何らかの話をしないと実績としては認められないのだ。

 もちろん、今の職安はメチャクチャ混んでいるので、何をするにもお馴染みの番号札をとっての順番待ちである。先の PC 検索しかり、窓口相談しかり。
 行きたての頃は各手続きを終えてからバカ正直に次の手続きの番号札を取っていたが、今では来所したらまず行うべき手続きの番号札を確保する事にしている。タイミングさえあえば前の手続きが終わった頃に、次の手続きの番号札の順番が回ってきているからだ。もっともこんなスキルを覚えたところで嬉しくも何ともないわけだが。

 実績は基本的に二回と書いたのは、企業に応募を行えば一回で済むからだ(他にも例外はあるが)。今回はテキトウにそれっぽい条件の企業があたので、応募してみることにした。その為には窓口相談が必須になるわけだが、これもバカ正直に行えば数十人待ちで数時間待たされることもざらだ。今回は予め番号札を確保して、それでも時間が余ってしまったから周囲をちょっとぶらついてようやく自分の番が回ってきた。

 「ここに応募したいんですけど」
 「では応募状況を確認します。……六十四人応募して、結果待ちが九人、採用は〇人ですね」
 なんだよそれ、雇う気が全く無いんじゃないのか? それともボンクラばかりこぞって応募しているのか?

 「応募要項に年齢制限がありますね、三十五才以下のみの募集ですね」
 ちょっと待てよ。求人票には「年齢不問」ってしっかり書いてあるじゃないか。何のための求人票だよ。いい加減にしてくれよ。

 「ああ、そうですか。じゃあ応募できないっすね」
 実績稼ぎのための応募だったし、今日は待ち時間短縮のテクニックでそんなに待たずに窓口相談できたからいいものの、バカ正直に順番待ちしてこの対応されたらキレる奴が出てもおかしくないぞ。
 ここで文句を垂れる……以前に呆れた気持ちが先に来たし、苦情を言ったところで疲れるだけだし、アホくさいのでそれ以上は追求しないことにした。

 「就職活動の実績にはなりますから、ハンコを押しておきます。ご苦労様でした」
 「ご苦労様」って上から目線かよ。まあ別にいいけどさ。

 職安の求人って本当にロクなのがないよ。みんないってるけど。数はそれなりだけど、異様に給金が低くて必要資格や高い実績を要求するものばかりで噴飯ものだけどね。:-)

ida について

All or nothing.
カテゴリー: misc パーマリンク