DVD 映像ソフトとしての “I’ve in BUDOKAN 2005” その 2

 前回のエントリーの時点ではメイキング(DISC 3)は見ていなかったので、原稿のネタ出しと休憩を兼ねて Exass さんと同時再生して意見を交換しながら見ることにした。

 結論から言うと、これがメインディスク(のクオリティ)なんじゃないかということと、このディスクさえなければ本編と比較されることはなかったから、先日の見直し告知にまで発展しなかったのではないかということだ。
 理由は歴然としている。メイキングが画質、音声、構成のすべてが本編より上回っているのである。

 画質もメイキングの方がコンバータの問題か明らかに鮮明である。そして、音質。実際に聴いてみて音に関して騒がれたのがよくわかった。Exass さんの指摘では当日の PA からスピーカアウトへの音を使用しているため、当日の音がそのまま収録されており、これでは本編で差し替えになっている部分が誰にでもわかってしまう。しかも当日の PA の仕事が良かったものだからなおのこと。あらためて当日の興奮がよみがえってきた。

 最後に構成であるが、メイキングとしてしっかりと見せる部分を見せている。先日のエントリーでも触れたが、本編ではカットされていた島宮えい子の「今まで歌ってきて本当に良かった」が、メイキングディスクにはしっかりと収録されていたのには驚いた。編集者は使うべき部分をよくわかっている。
 そして、明らかに違和感があるのがラストの“Fair Heaven”のチャプターである。動画の部分が画面左端のみで構成されており(途中から右端に入れ替わる)、反対側はブラックバックのままで何も映らない。これはこの部分にはスタッフ等の文字が入るためのスペースとして制作されたと考えられる。

 疑問なのは、何故わざわざ本編とは別にこのような映像が制作されているのかという点である。DVD のブックレットには、本編とメイキングではそれぞれ別の制作会社が担当していると記載されており、制作会社が違っているのは事実だ。そして、仮にこれがボツ映像としよう。しかしこれが素人目に見ても画質を含めて本編のそれより遙かに出来がいいのである。

 この先は憶測になるが、本来メイキング担当の制作会社が本編を担当する予定だったのではないだろうか。それが何らかの事情により、本編を担当する予定だった会社がメイキングに回ったのではないかと言うことである。これはライブから DVD が発売されるまでに通常のケースより時間を要していることと、先日の公式サイトの“内容見直し告知”もこれを裏付ける要因になる。
 アプリケーション等のソフトならば、一旦発売したあともバグフィクスなどのフォローは今や当たり前のように行われている。しかし、映像ソフトとなると話は違ってくる。明らかに内容に不具合がある場合を除いて、まだ決まったことではないがユーザの要望を受けてリメイク版を出すと言うことは通常ではあり得ないケースだ。
 実は発売後に制作関係で一悶着あってリメイク版がリリースされることになったのに、表向きは「ユーザの声に答えた」と都合のいい理由にされたのではないかと勘ぐってしまう。

 少々キツい書き方をしたが、これも I’ve が好きだからのことであり悪意はない。本業以外の外野が騒がれるのは誰も望んでいないだろう。いちファンとしては話がおかしな方向に行かず、杞憂であったことを願うばかりだ。

#誤って下書きのまま公開したため一旦非公開にし、内容を見直した上で再公開しています。

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